映画のハシゴ観は(以下略)

今週も有楽町にて映画をハシゴ。今年初シネパトス。つうかこの時期、観たい映画・気になる映画が立て続けに公開されて実に困る。も少し散らばってくれるといいと思った。


1本目:デイ・アフター・トゥモロー
ローランド・エメリッヒ久々のデザスター超大作。今回ボクらの地球を襲うのは、尋常じゃない規模の気象災害。尋常じゃない数の宇宙船群や尋常でない大きさのトカゲといったはっきりとした形をもった相手ではないので、コンピュータウィルスを打ち込むだとか、中心部に戦闘機で特攻を仕掛けるとか、大量の魚を集めておびき出すとか、そういう作戦は一切通用いたしません。で、脅威に対する打開策が無いという状況がそのままストーリーにも反映されてしまったようで、カタルシスやら爽快感に欠ける尻すぼみなクライマックスになってしまいました。そこがエメリッヒらしいと言えなくもないのですが、クライマックスに限らずドラマ部分は全体的にやっつけ感が強くて、いくら何でもそりゃないだろ。
とはいえ、この映画の主役はデニス・クエイドでもなければジェイク・ギレンホールでもなく、ましてやタムリン・トミタ(懐かしい)なわけはなく、数々の気象災害なのであります。つまりは人の頭を殴りつける雹であり、ビルをごっそり削り取る竜巻であり、レポーターを看板ごと吹き飛ばす突風であり、渋滞の車をきれいに流しさる津波であり、人を一瞬のうちに凍結させる大寒波であって、それらはお話の減点分を帳消しにするどころか、ポイント還元してくれて最終的にはお得な気分になりました。そこはさすが「インデペンデンス・デイ」の監督といったところか。


90点(ストーリー-30点+いろんな災害120点)



2本目:エージェント・コーディ
これは思わぬ収穫。内容はハリー・タスカー*1・ミーツ・ゲイリー・ギグルス*2といった感じの中学生スパイ映画。
単純に新米エージェントの年齢を引き下げただけかと思ったらさにあらず。初任務の内容が女子を口説くことだったり(だけどシャイなのでなかなか上手くいかない)、いろいろとサポートしてくれる仲間たちが次第にうっとうしくなってきて母親を追い払うように邪魔者扱いしたりと、スタンスはあくまでも中学生であるところが好感度大。もちろんスパイ映画としてのスペクタクルも重視して、その辺のバランス感覚は見事だと思いました。お約束の秘密兵器たちはというと、バカバカしさよりも機能性を優先させていて、ガジェット系スパイ映画好きには少々物足りないかも。でも、そこは単なるティーンムービーにはしないのだという心意気が感じられ、続編製作が決まっているということもあって今後に期待が持てます。シネパトスでもいいので続編もぜひ日本公開していただきたい気持ちでいっぱい。
今まで多くのスパイ映画が「ポスト007」と称して、金字塔に立ち向かい数知れず討ち死にしていったワケですが、ひょったしたらこのままシリーズを重ねていけたら、この作品が本当にその称号を賜ることが出来るかもしれません。というのは買いかぶりすぎですかね。
007といえば、続編以降コーディ君の宿敵となりそうなイムホテップ演じる悪党・フランソワが、スキンヘッド(ホントは後頭部に毛があるけど)に片目に傷ありと、ドナルド・プレザンス版ブロフェルドっぽいビジュアルなのが渋いと思いました。


85点(ストーリー65点+将来性20点)

*1:「トゥルー・ライズ」でアーノルド・シュワルツェネッガーが扮するエージェント

*2:スパイキッズ」シリーズに登場するコルテス姉弟のライバルスパイ兄妹のお兄さんのほう。リック・アストリーっぽい