それでやっとチャラ

タランティーノはやっぱり天才だ。
半年の時を経て"vol.2"にてついに完結した金髪女剣士復讐紀行「キル・ビル」。とにかく素晴らしくて、実質1本の作品だったのにタラ監督第5作というのはいかがなものかと思ってみたりもしたのだけど、まあこの際そんなことはどうでもいいや。
非常に緩やかかつセンチメンタリズムに溢れたストーリー展開は感動的ですらあり、素っ頓狂な大殺戮絵巻にポカーンと開いた口がふさがらなかった"Vol.1"も、この後半のカラーと対比させるためだったのかと思えば納得です。むしろ好印象。カラーが変われば細部の印象も変わるとばかりに、"1"では突拍子もなくただ笑うしかなかった「鬼警部アイアンサイドのテーマ」が流れるシーンも、"2"のそれは非常にエモーショナルなものに思えて、血が騒ぐというか変な高揚感をおぼえました。
ほぼ100点満点の出来ですが、欲を言えば、当初の予定通り1本の作品として仕上げていたら前半と後半のコントラストもわかりやすかったんではないかと。とはいえ、1本にしたらしたで、メガネ魔法使いやホビットもびっくりの4時間の超大作になってしまうが。ケツが痛くなる。DVDで完全版として出してくれませんかしら。


ということで観終わって非常に気分良く映画館を出たら、駅前にキャッチセールスのやつらが大量にいて、せっかくの気分を台無しにしやがった。「試写会が無料で見れマース」だってよ。金取る試写会なんて聞いたことねえぞ。タイトルも言わんし。で、「日本初公開の映画ですよ」って、洋画はだいたい日本初公開だっての。