ハイウェイマン

映画を観に行ったらもらった

ヒッチャー」のロバート・ハーモンによる車スリラー映画。つうか、いまさら「ヒッチャーの監督」を惹句に使って効果があるのかどうか疑問だが、これが代表作なのだから仕方が無いか。
殺害方法がひき逃げというありそうでなかった(と思う)殺人鬼と、新たなターゲットとして狙われる女性の恐怖に、彼に妻を殺された男の復讐劇が絡んでいく、オーソドックスというか一本道というか、スリラーの見本ともいうべきお話でございます。そんな3人の関係を、少し離れたとこから追いかけていく黒人刑事というのも定番。

とはいえ、主人公の乗る車が68年型プリマス・バラクーダ、殺人鬼が72年型キャデラック・エルドラドといったいわゆる70年代アメ車で、それらを惜しげもなく(本当に惜しくないのかもしれない)クラッシュさせる思い切りの良さや、寂れたモーテルや埃っぽいハイウェイといった映像づくりなど、全編に70年代車映画スピリットが染み渡っています。
そんなH・B・ハリッキーにも通じる心意気が功を奏して、手垢にまみれたストーリー展開も70年代感覚を再現させるために、あえてそうしたんではないかと思うにいたった次第です。